古地図・現代図で歩く昭和東京散歩[戦前] 古地図ライブラリー(別冊) ★おすすめ★
人文社編集部(編集)
ISBN:4795912947
(2003/12)
昭和16年の「大東京三五区詳細図」から都心部(のべ22区)を抜き出し、左ページに当時の地図(8000分の1)、右ページに同縮尺の現在の地図を並べたもの。巻末には巻頭大震災の火災図、戦災による焼失区域地図なども収録されている。
ほぼ同じ趣向で昭和6年の地図を用いた草思社刊「東京の戦前 昔恋しい散歩地図」も同時期に出版されたが、そちらが「情緒」に重きを置いた作りで、「索引地図」の不備、縮尺の不一致などが目立つのに対し、こちらは非常に手堅い作り。過去・現在の地図の縮尺や角度はきっちり一致しているし、地図はあくまでも鮮明。「読み物」ではなく「机上において使う資料」としての実用性・使い勝手・完成度はずっと上という感じだ。
ただし、「歩く」「散歩」などとタイトルにうたわれているわりに物理的にはかなり重く、「実地の散歩のお供」に持ち歩くのはちょっとつらいかもしれない(昔恋しい……のほうがずっと軽い)。
まあ、使用されている地図の年代が10年違うし底本となった地図の雰囲気もかなり違うので、こういう本が好きな人には結局どちらも「おすすめ」ではあるのですけど。
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