喋ってる「フリ」だけで実際は声を出さずに演技することを「口パク」もしくは「パントマイム」と呼び、エキストラの場合、出番のざっと半分以上はこれが前提だと思って間違いありません。
声だけでなく、足音とか、食事のシーンで食器がぶつかる音なども極力たてないよう気を配る必要があります。
一方、カメラなしで、音声スタッフが声や音だけ録ることを「オンリー」と呼びます。
この2つはいわば表裏一体で、次のような流れで作業が行われることがしばしばあります。
(1)撮影時、俳優のセリフだけを同時録音し、エキストラは口パクで演技する。
(2)あとでエキストラだけ残って、拍手、オフィスや飲食店、パーティー会場のざわめき、試合の観客のどよめきなどの背景音(通称「ガヤ」)を、あらためて「オンリー」で録音する。
こうしておけば、あとで編集する際、セリフだけ際立たせたり逆に背景音を大きくしたり、音量レベルの調整がしやすいことにになります。
……と、以上のことを実作業の段取りからいうと、
「カメラや照明のスタッフが後片付けを始めていても、エキストラの仕事はまだ終わってない場合がある」
ということになります。なので、きちんと指示があるまで勝手に帰ったりしないようにしましょう(^^;。
※「オンリー」で録るのはいわゆる「ガヤ」ばかりとは限らず、たとえば「回想シーン用にかぶさる俳優のセリフ」などがこの「オンリー」方式で録られることもあります。
いずれにしても、「本番」の声がかかったら、録るべき目的以外の音をたててはいけない点は同じです。
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