喋ってる「フリ」だけで実際は声を出さずに演技することを「口パク」もしくは「パントマイム」と呼び、エキストラの場合、出番のざっと半分以上はこれが前提だと思って間違いありません。
声だけでなく、足音とか、食事のシーンで食器がぶつかる音なども極力たてないよう気を配る必要があります。
一方、カメラなしで、音声スタッフが声や音だけ録ることを「オンリー」と呼びます。
この2つはいわば表裏一体で、次のような流れで作業が行われることがしばしばあります。
喋ってる「フリ」だけで実際は声を出さずに演技することを「口パク」もしくは「パントマイム」と呼び、エキストラの場合、出番のざっと半分以上はこれが前提だと思って間違いありません。
声だけでなく、足音とか、食事のシーンで食器がぶつかる音なども極力たてないよう気を配る必要があります。
一方、カメラなしで、音声スタッフが声や音だけ録ることを「オンリー」と呼びます。
この2つはいわば表裏一体で、次のような流れで作業が行われることがしばしばあります。
投稿情報: 13:38 カテゴリー: エキストラの基礎知識, 用語 | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (0)
「撮影された個々のカットの整合性」といった意味でひんぱんに使われる言葉ですが、エキストラの仕事の上では特に「別の日程の撮影に同じ役柄設定で参加すること」を指して使われます。
たとえば「事件現場に押し寄せた野次馬や報道陣」みたいな一過性の役柄でも、まったく同じ設定の撮影が2日以上にまたがる場合、日が違うからといってエキストラの顔ぶれがすっかり変わってしまったら画面に違和感がにじみ出て、文字通り「つながり」が悪くなってしまうことが考えられます。
このため、「できるだけ同じ顔ぶれが再度参加」というかたちがとられるわけです。
投稿情報: 12:59 カテゴリー: エキストラの基礎知識, 撮影体験, 用語 | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (0)
先週の土曜日、台東区の下町エリア・谷中近辺を家族と一緒に散歩したのですが、「谷中ぎんざ」の西のはずれあたりで、何かのロケをやってるのにばったり遭遇しました。
TVのバラエティで最近よく見かけるお笑いコンビの片割れと子役の少年、カメラマンその他スタッフ、そして通行人のエキストラが10人ほど。フィルムカメラだったようだしスタッフの人数も多く、なにやら「本格的な映像作品」という感じでしたが、どういうメディアのどういう作品かは不明であります。
ともあれ、自分がエキストラをやるようになって以降、こういったロケに遭遇したことは初めてだったので、しばし興味深く観察してしまいました。
投稿情報: 13:25 カテゴリー: エキストラの基礎知識, 撮影体験 | 個別ページ | コメント (3) | トラックバック (0)
「エキストラは楽しいよ~」というのが当ブログの基本スタンスですし、実感として「とりたてて危険な仕事ではない」のも確かですが、こういう話題も一度はとりあげておくべきかな……ということで、過去に実際に起きた「エキストラが巻き込まれた事故」の例を集めてみました。(後日また見つけたら追加しておきます)
・2005年6月21日午前6時ごろ、木村拓哉主演のフジテレビのドラマ「エンジン」(月曜午後9時)撮影のため静岡・小山町の富士スピードウェイに向かっていた大型バス(エキストラ36人が乗車)が、ワゴン車など計5台が絡む多重事故に巻き込まれた。幸いけが人はなく、エキストラは同局が用意した他のバスで撮影現場に向かい、6月27日放送の最終回のレースシーンの撮影に参加した。
・2004年10月2日夕刻、長野県東御(とうみ)市御牧原の長野新幹線工事用の傾斜したトンネル(機材搬入や土砂運搬用)内で音楽バンドのプロモーションビデオ撮影中、撮影用発電機の排ガスの白煙がトンネル内に充満、撮影スタッフの男性1人と同県上田市や千曲市から動員された13~19歳の女性エキストラ6人が一酸化炭素中毒で病院に搬送される事故が発生。幸い全員軽症だった模様。当時スタッフだったという人の迫真の体験談が書かれたブログ→http://atsee.exblog.jp/m2005-07-01/
投稿情報: 20:42 カテゴリー: エキストラの基礎知識 | 個別ページ | コメント (1) | トラックバック (0)
現場ですぐ再生可能なビデオカメラによる(=フィルムを使わない)撮影の場合、本番1カットの撮影が終わって「カット」の声がかかったあとで、引き続き「チェック」の声がかかる(ことが多い)。これは、撮った映像を再生し、モニターで注意深く確認する工程を意味している。
少したって、
「チェックOK」
のような声がかかれば、そのカットは本当に撮影終了ということになる。
一方、たとえば"録音機材のような見えてはいけないものが写ってしまった"など、何かしら不測の問題点がこの段階で見つかれば、再度それを修正して撮りなおすことになる。
したがってエキストラも、「チェックOK」の声がきこえるまでは、「撮り直しになってもあわてない心構えでいる」必要がある。
投稿情報: 22:43 カテゴリー: エキストラの基礎知識, 用語 | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (0)
ドライリハーサルの略。「カメラなしで行われる、これから撮るシーン全体のおおまかなリハーサル」のことで、スタジオでもロケでもよく使われる言葉。
撮影関係者(スタッフ/俳優など)がシーン全体の流れやポイント、クリアすべき問題点などを把握することに眼目が置かれた「打ち合わせ」的な雰囲気のものであり、俳優はまだ本番の衣装に着替えていないことも多い。
「カメラは1台だけ」が基本のロケ撮影では、実際の撮影はこのドライを土台に、より細分化されたカット単位での作業として行われるケースが多くなる。
TVドラマ/バラエティなどのスタジオ撮影の場合、複数のTVカメラの映像を切り替えながら1つのシーンを一気に撮りきる形態(通称マルチ)が多く、この場合はドライと本番の撮影単位は同じである場合のほうが多いようだ。
エキストラも、俳優の演技へのリアクションが必要であるなど、撮影段取りへの関与の度合いが高い場合は、ドライの段階から参加することがある。
一方、単純な通行人役など「背景を埋めるだけ」の役の場合、ドライ段階ではまだお呼びがかからず、遠巻きに見たり、控え室などで待機している場合もある。
投稿情報: 11:32 カテゴリー: エキストラの基礎知識, 用語 | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (0)
今朝は「エキストラ」にまつわる話題が新聞の社会面に載りましたですね。
ANAの制服10人分なくなる 羽田でCM撮影後 (@asahi.com)
http://www.asahi.com/national/update/0607/TKY200506070313.html
ANAが自社のCM用として同社の制服(すべて女性用)を貸与、195人のエキストラが着用したが、徹夜での撮影を終えた朝、あらためて回収した制服を確認したら12着足りなかった。その後、呼びかけに応じて2着は匿名で戻ってきたが、10着は行方不明のまま。
……というのですけども、ううむ。
(エキストラが持ち帰ったとは限らないですが)むろん衣装にせよ小道具にせよ、借りたものを全部きちんと返すのはエキストラの仕事では基本中の基本のひとつ。勝手に持ち帰ってしまったら、登録しているエキストラ事務所の信用問題など、いろいろややこしいことになっちゃうのは明白ですので、皆さんは決してマネしないようにしましょう(^^;。
画像リンク先:a-style
投稿情報: 12:51 カテゴリー: エキストラの基礎知識 | 個別ページ | コメント (2) | トラックバック (1)
自分が登録している事務所の話だけでは汎用性がないし、かといってあちこちの事情を詳しく知ってるわけでもないので、正直、あまり深入りしたくない話題ですけど(^^;、そういうことが知りたくてこちらにアクセスされるヒトも多いみたいですので、「出演料」について少しだけ(自分のわかる範囲で)触れておきます。
まず、下記のような募集ルートを通じてのエキストラは、原則「無報酬」「交通費などの諸経費も自腹」です。
・テレビ局や映画製作会社が自ら臨時に募集(不特定多数に対する公募)するもの。
・地域ごとのフィルム・コミッション団体などが、エキストラ登録制度を設けている場合。
・フジテレビクラブ、日テレサポーターズ・クラブなどの「ファンクラブ系」。
これらの場合、「あこがれのスターに接近遭遇できる」「撮影現場の様子をつぶさに観察できる」「地域振興に役立つ」「何か特別な記念品がもらえる」など、お金以外の面でのメリットが「報酬」ということになります。
一方、いわゆる「エキストラ事務所」を介してのエキストラの場合は、おおむね次のような条件での報酬が得られます。
・4~5時間以内までなら定額(1本の仕事につき数千円程度)。
→所要時間が長い場合は割り増しがつく場合がある(額はあんまり期待しないほうがいいと思いますが)。
→条件がなんらかの意味で高度(というか「キツい」)場合、まれにその分の割り増し手当てがつく場合がある。
・集合場所(ロケ現場の最寄駅など、そのつど指示される)までの交通費は原則自己負担。
→ただし都心から遠い場所での集合・解散の場合、補助が出る場合も多い。
・現代劇の通行人役用の普段着、スーツ、礼服など、典型的な衣裳は自前が原則。
→警官役の衣裳など特殊なものは製作側が用意。
・「やりたい日」(都合がつく日)にだけやればよく、その意味でのスケジュールの自由度は高い。
→自分がやりたい日にちょうど仕事があるかどうかは保証の限りではない。
→連続ドラマなどでは「レギュラー」的な仕事が入る場合もあり、この場合は撮影日程に縛られることになる(むろん、そういう仕事をそもそも希望しなければ問題ない)
・撮影参加中の食事は(いわゆる「ロケ弁」が)支給されることが多い。
→これは現金収入ではないけれど、食費が浮く。
まあそんなわけで、絶対的にはあまり「ワリがいい」とは言えないでしょうが、「1時間で終わっても数千円」というところに着目すれば「時給数千円になることがある」ともいえますし、
・衣裳類は手持ちのもので大体間に合う。
・都心(山手線内とか)在住か、あるいは都心までの定期券を持っているため、交通費の負担は軽い
といった「経費」関連の好条件が加われば、「それなりにまとまった収入」が期待できなくもない、とはいえるでしょう。
そういうボクの場合は、
・サラリーマン経験がないのに回ってくる役柄はたいていその類なので、スーツやコート類など、エキストラ用に新規購入した衣裳がけっこう多い。
・最寄りの私鉄の運賃が高く、都心まで往復すると最低でも千数百円かかってしまう。
・そんなにしょっちゅうやってるわけじゃないため、経費回収のペースが遅い。
……などのマイナス条件が重なっており、7か月以上が経過した今もまだ、トータルでは「赤字」です。
でもまあ「いろいろ面白い体験をさせてもらって、しかも経費がある程度回収できる」というふうに捉えれば、同じ時間に何かほかのこと(単なるお散歩とか(^^;)をやっているよりははるかに「儲かっている」ともいえそうではあります。
投稿情報: 23:53 カテゴリー: エキストラの基礎知識, 映画・テレビ | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (0)
明日はNTV系「87% -私の5年生存率-」(毎週水曜日22:00~)の第1回放映日ですネ。
ぼくも12月中のとある週末にこのドラマのロケに参加していて、おそらくそのシーンは明日放映されるはず。いや、毎度のことながら「ごっそりカットされてた」みたいなこともあるし、第何回の撮影だったかちゃんと確認してないので断言はできませんが、とりあえず、見逃さないようにしたいと思ってます(^^;。
ストーリーは「乳がん」にかかってしまったシングルマザー(夏川結衣さん、素敵でした)とそれを取り巻く人々の物語とのこと、自分がエキストラで出てなかったらいまいち興味をもちそうにないテーマではありますが、見ればけっこう面白くて結局毎回見てしまったりする……のかなあ。
で、そのロケ当日の話なんですけど、撮影そのものは昼前にあっさり終わりました。
が、もともと昼過ぎまでかかる見通しだったのか、エキストラにも昼食(いわゆるロケ弁)が用意されていて、結局「持ち帰って食べなさい」というお話。
せっかく天気もよくて暖かかったので、別のエキストラのひと(その日初めて会った男性)を1人誘い、ロケ場所(具体的に書きませんが)から歩いて5分ほどの「浜町公園」まで行って、ベンチでゆったりお弁当を広げました。
この公園はずいぶん以前(たぶんもう10年以上になる)、ソフトバンク「DOS/V magazine」編集部が新大橋のたもとのビルにあったころ、月に数回ほどのペースで前を通ったり中を通り抜けたことがあり、その意味では土地カンがあったのですが、久しぶりに来てみたら見違えるように立派に整備されていて、
・一面の開放的な芝生。
・適度な起伏。
・ピクニックにぴったりの木のテーブルとベンチ。
……てな感じで、ぽっかぽかの日差しと青空の下、まさしく「ピクニック気分」が味わえてしまいました。目の前に座ってるのが地味なサラリーマンの格好したエキストラ氏だったりするところが多少ツヤ消しではありますが……って、自分も同じだってば。
ちなみに、この公園で特に面白いナと思ったのが、公園北よりの池(噴水?)。
どういうコンセプトなのかは知りませんが、ときどき真っ白な湯気が池の周囲から噴き出し、周囲を幻想的な雰囲気で包みます。せっかくなので、たまたま持っていたデジカメで写真を撮ってきました。こんな感じ↓。
昼食後は1人で隅田川沿いを両国橋方面にしばし散歩。前から気にかかっていた「薬研堀」跡(今も唐辛子屋さんが一軒営業していた)から「薬研堀不動」→「柳橋」→「浅草橋」などをぶらぶら散策して回り、最後は横山町の新道問屋近辺で格安のコートを一着買って家路につきました。
うーん、なんか充実したなあ……って、エキストラの話からはだいぶ脱線しちゃいましたが、サイトの表題に先日から「東京」と冠した通り、
「毎回、東京じゅうのあちこちを(脈絡なく)とびまわることができる」「こういう機会がなければ一生足を踏み入れる機会などないかもしれない東京の"隠れた名所"を見学できる」
という点も、個人的には(東京の)エキストラの仕事ならではの「面白さ」じゃないかと思っているわけでして。
●作品データ●
放映:2005年1月12日(水)~
脚本:秦建日子(はた・たけひこ)……主題歌も作詞
第1回演出:長沼誠
出演:夏川結衣、本木雅弘、橋爪功、杉田かおる、渡辺いっけい、古田新太、酒井若菜、相川七瀬、杏さゆり、、大谷直子細川俊之 他
●関連リンク●
・「87%-私の5年生存率-」オフィシャルサイト
・日本橋(北)、人形町、蛎殻町、水天宮前、浅草橋南詰)の宿泊施設一覧 by YanaKen
・主題歌「キミがいる」by CHEMISTRY -- [amazon.co.jpで情報を見る]
投稿情報: 14:51 カテゴリー: エキストラの基礎知識, 旅行・地域 | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (0)
1月某日、今年のエキストラ「初仕事」は、なんちゅうか「ひどく長い一日」になってしまいました。
順を追って書くと、まずは朝早く都心某所に集合、「クラブの客」の役。
ドレスアップした「クラブのホステス役」の若い女性エキストラも多数参加しており、現場の雰囲気は華やか。ちょっと寒かったけど、なかなか楽しい撮影でありました。
で、そのあと男性エキストラのみ連れ立って、郊外に電車で移動。別の男性エキストラ10人ほどと合流し、昼食後に「刑事」役で2カットの撮影に参加。
こちらは一転、エキストラも俳優も男ばかりという色気のないシチュエーションでしたが、監督さんが即興?でいっぷう変わった演出を試みたりして、これはこれで新鮮な体験となりました。
で、午後4時に終了、「待ち時間が長かったけど、まあ楽しかった」とか思いつつ帰りの電車に乗った直後。「ロケ現場に衣裳バッグを忘れた」ことにいきなり気がつきました。
エキストラは移動の多い仕事ですし、荷物も多くなる傾向が強く、それだけに忘れ物・落し物をしないよう毎回自分なりには気をつけてるつもりではあるのですが……それでも「魔が差す」というか、何かふっと別のことに気をとられて「やってしまう」のですよね。こういうときってホント、周囲にも迷惑かかるし、自分で自分がちょっとイヤになってしまいます。
とにかく、あわてて次の駅から引き返したところへエキストラ事務所から連絡があり、
・忘れた荷物はマネージャーさんが気づいて確保してあるけれど、もう撮影隊といっしょに次のロケ現場に出発してしまった。もう1つあとのロケが都心某所で行われる予定なので、そちらに先回りして待っていなさい。
……という指示。
というわけで、身から出たサビとはいえ、その「次の次の(自分が出演するわけではない)ロケ現場」まで行って、そこで撮影隊の到着を待つという情けないことになってしまいました。さほど遠回りせずに済む「都心」方面だったのはまだしも幸いでしたが、とはいえ「6時前には自宅に着いてるかな」という感じだったのが結局「9時過ぎ帰宅」ということになってしまいました。
ただ、この「夜の部」の撮影現場には、同じプロダクションの(昼間とは別の)エキストラの人たちが集合しており、何人かは顔見知りだったおかげで、あれこれおしゃべりしながら待つことができ、寂しい思いや不安な思いを味わわずに済みました。けっこう、痛い経験をもってる人が多いようで、ヘンに忘れ物談義で盛り上がったりして……(^^;。
その上、実はこの「夜の部」のロケ現場というのが、都心には珍しい鬱蒼とした緑の中にたたずむ、明治時代に建てられたという巨大木造建築。「神田川のページ」の運営者としてはむしろ千載一遇の機会っていうか、「忘れ物したおかげで、通常は非公開の、知る人ぞ知る明治の名建築の内部に足を踏み入れた」という格好になってしまいました。
だからといって、もちろん「二度と忘れ物はしたくない」のには違いないのですけど。
そういうわけで、本来の拘束時間約8時間プラス忘れ物受取のための回り道数時間、自宅を出てから帰宅までの所要時間約14時間半、長い長い「2005年初エキストラの1日」だったのですが、実際には撮影隊やマネージャさんはもっと早起きして夜遅くまで仕事してるわけで。いやはや、なんともハードな業界ではありますね。
投稿情報: 20:17 カテゴリー: エキストラの基礎知識, 撮影体験, 映画・テレビ | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (0)
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